ひとつの好き

増田さんの歌が好きだ。聞いていて思わず口元が緩んでしまうような歌、ゾクゾクしてついニヤッと口角が上がるような歌。どちらも増田さんの声が作る歌で、人を笑顔にする歌だ。だから、30歳の増田さんがくれた歌を振り返ろうと思う。

2016年7月。30歳になってすぐに恋を知らない君へがリリースされた。この曲の増田さんは全てを包み込んでくれるけど、どこか儚い。『あなただけは消えないで』どころか"あなた"と一緒に消えてしまいそうな危うさすら感じた。あと声がソフトクリームみたいに溶けてておいしい。夏の中に吸い込まれてしまいそうになる不思議な歌をもらった。

年が明けて2月。EMMAのリリース。増田さんの歌声は月までをも撃ち抜いた。男臭さをイメージしたこの曲の中で声の甘さが隠し切れてない(もしくは意図的に隠していない)増田さんはずるい。悪い女は私のはずなのに増田さんに騙されてるような気持ちになってくるのがこわい。手のひらで転がされてる可能性が否定できない。聞いているだけで顔が熱くなるような歌をもらった。

1ヶ月後の3月。音に潜む魔法にかけられてNEVERLANDを探検する高揚感は、何にも代えがたい音楽体験だった。優しい歌声にはいつまでもついていきたいと思ったし、きらきら光る歌声は宝物にした。時には歌声の持つ魔力に魅入られて、また時には増田さんの歌が私を励ましてくれた。ソロ曲では特に、丁寧に溶かすような歌声を聞いて引き返せないところまで惚れてしまったと思った。

NEVERLANDツアーがオーラスを迎えた6月。増田さんはあの広い東京ドームにその歌声を響かせた。私の目に映った増田さんは、耳に入ってきたその声はいつだって私達に歌を届けようとしてくれていた。NEVERLANDに引き込んでくれた。優しくて柔らかな声がたくさんの色を見せて、私達に魔法をかけてくれた。あの日増田さんがくれた歌は、私の心をこんなにも幸せにしてくれたんだよ。

増田さん、31歳のお誕生日おめでとうございます。増田さんの周りに素敵な音が溢れる一年になりますように。増田さんが幸せだと感じる世界でありますように。